共同海損(General Average)

共同海損(General Average)とは、船舶の航行中に生じた海難事故による損害および救援費用を船主および荷主で分担して負担するという制度で、ヨーク・アントワープ規則(York-Antwerp Rules)という世界的な取り決めがあり、世界中の殆どの共同海損がこの取り決めによって精算されています。船会社が発行するB/Lの裏面約款には一般的にGeneral Averageの項目があり、ヨーク・アントワープ規則に従って精算するという記載があります。そして、ヨーク・アントワープ規則では共同海損が成立するためには下記の4つの要件が必要と定めています。

  1. 共同の危険が現実に生じていること。
  2. 船舶と積み荷の共同の安全のためになされた行為であること。
  3. 通常の行為ではなく故意かつ合理的な処置であること。
  4. 犠牲および支出された費用は異常なものであること。

海難事故が発生して船主が「共同海損」を宣言すると、共同海損精算人が選任され貨物の被救助価額で按分された金額の共同海損分担金が荷主に請求されます。海上保険をかけている場合は保険会社が分担金の支払いをして処理されます。海上保険をかけていない場合は、荷主がこの費用を実費負担することになります。