一般的に輸出通関でまず必要となる書類はInvoiceとPacking Listです。このほかに日本からの輸出で規制がある商品を輸出する場合は政府機関が発行する許可証やキャッチオール規制に該当する商品はその商品のメーカーが発行する非該当証明書が必要となる場合があります。輸出通関申告を依頼する通関業者に確認をして通関に必要な書類を準備します。また、輸出通関申告で必要となる統計品目番号(HS CODE)を確定させる目的で、商品の素材や形状などを通関士から質問されることがありますので、初めて輸出する商品はカタログやスペックを記載した資料を手元に準備しておくとよいです。
INVOICE
Invoiceは決まったフォーマットがあるわけではないですのでお好みで自由にデザインしてよいのですが、一般的に下記の内容をInvoiceに含めておく必要があると思います。
- Invoice番号
- Invoiceの日付
- 輸出者の情報(会社名、住所、電話番号など)
- 輸入者の情報(会社名、住所、電話番号など)
- 貨物の積み地
- 貨物の輸送先
- 貨物を輸送する船会社または航空会社
- 本船名(海上輸送の場合)
- 出港日(航空輸送の場合は発送日)
- 貿易の取引条件(FOB、CIFなどインコタームズによる表記)
- 商品名と単価、数量
- 合計金額
PACKING LIST
Packing Listは、輸出する商品の梱包状況を説明する書類です。Invoiceは輸出する商品の価格を申告する書類でしたが、Packing Listは貨物のサイズや重量を税関に申告する書類となります。一般的にPacking Listには下記の内容が含まれている必要があると思います。
- Invoice番号
- Invoiceの日付
- 輸出者の情報(会社名、住所、電話番号など)
- 輸入者の情報(会社名、住所、電話番号など)
- 貨物の積み地
- 貨物の輸送先
- 貨物を輸送する船会社または航空会社
- 本船名(海上輸送の場合)
- 出港日(航空輸送の場合は発送日)
- Shipping Mark (Case Mark)
- 貨物の荷姿(Carton、Skidなどの梱包形態)と個数
- 商品名
- Net Weight(商品そのものの重量)とGross Weight(梱包された状態の重量)
- Dimension (梱包サイズ)とM3(貨物の立方メートル)
INVOICE 兼 PACKING LIST
輸出通関申告ではInvoice、Packing Listが必要ですが、中古車を1台輸出する場合などリストにするほど商品点数がないケースでは、Invoice、Pcking Listに記載すべき内容を一つの書類にまとめてInvoice兼Packing Listとして簡便に済ませることもできます。Invoiceの中にPacking Listの中に含めるべき貨物のサイズや重量などの情報を記載して一つの書類にします。
右のサンプルは中古車を1台輸出する場合の書類の例です。画像をクリックすると拡大表示されますので参考にしてみてください。Invoice番号、Invoiceの日付、輸出者の情報、輸入者の情報、本船名などはInvoice、Packing Listのどちらにも共通する内容ですが、これに加えて車両の重量、サイズ、M3、Shipping MarkをInvoiceに記載することでPacking Listとしての役割も果たす書類となっています。
まとめ
輸出通関申告に必要な書類としてInvoiceとPacking Listについて解説をしました。また、リストにするほど貨物の数量がない場合はInvoiceにPacking Listに記載すべき情報を追記することで、Invoice兼Pcking Listとしてもよいことをお伝えしました。Invoice、Packing List以外で必要となる書類は輸出する商品によってケースバイケースですので、輸出通関を依頼する通関業者に相談をして確認をする必要があると思います。
Invoice、Packing Listは日本での輸出通関に必要な書類ですが、輸出先国の輸入通関にも必要な書類となります。Invoiceの記載内容について客先から特に指示がなければ、輸出通関で使用した同じ書類を客先に送ってもいいですし、Invoiceに署名が必要な場合もありますのでInvoice下段に署名欄を設けてサインをした書類を客先に送付する場合もあります。Invoiceの記載内容について客先から指示がある場合はその指示に従って書類を作成します。